中国ビジネスを愛する貴方におくる起業家のホンネ

好きなんだから堂々と宣言しちゃいましょ。私は、いま、改めて中国上海ビジネスに夢中♡

上海人が愛してやまない老房子

中国最大の経済都市、上海の住宅事情を一言で表すと、高層マンションと伝統住宅の共生です。

ちなみに、ウチの上海オフィスは、「伝統住宅=老房子」をリノベーションした物件。
http://d.hatena.ne.jp/ShanghaiSpaceDesign/20160308 
http://d.hatena.ne.jp/ShanghaiSpaceDesign/20160302

上海の街を歩いていると、高層マンションとは違った、趣のある建物を見かけますよね。
これらの建物は「老房子」と呼ばれていて、上海の古い住宅を指します。

上海の老房子ですが、今も変わらず、住居として人気。
高層マンションに比べ、老房子は家賃が高く、借り手の大半が欧米人駐在員。

上海に赴任している欧米人は、マネージメント層が多く、日本人駐在員よりもハイクラスなことが多い。
住んでいるところの家賃も高く、自動車と運転手も支給されており、手当てが沢山ある、というのが普通です。
遠くから、極東の1都市に派遣ですから、日本人駐在員より過酷であり、手厚い保護は当然といえます。

要するに、欧米人駐在員は日本人駐在員よりも待遇が良いため、
欧米人駐在員向けの「上海住宅賃貸情報」には、「OLD HOUSE(老房子)」のカテゴリーが存在します。
老房子の賃貸相場といえば、最低クラスの老房子といえど、1ヶ月20,000くらい。
内装が手付かずの物件という条件であれば、探せば安い部屋が見つかりますが、まったくオススメできません。
古い物件ですから、手入れが悪く、いろんな箇所が壊れやすく、虫もよく出る、というオマケつき。
一般的な欧米人駐在員は、1ヶ月30,000元(500,000円)〜50,000元(800,000円)くらいの老房子に住みます。

老房子は割高なんですが、老房子に拠点を構えることが、一種のステータスになっています。
上海老房子オフィス・上海老房子レストラン・上海老房子ショップを所有することで、社会的地位や身分を伝えることができます。

起業家は勿論ですが、お世辞にも中小零細企業の信用度(知名度)は高いとは言えず、むしろ低い会社が大半かと。
ここ上海ビジネスにおいては、信用がないとお付き合いが大変。中国人セレブの類は尚更です。
単刀直入に申しますと、貧乏人は平気で嘘をつくから、信用されません。
お金持ちは共通のルールを重視するのですが、貧乏人は個人的なモラルを重視するため、毛嫌いされているのが現実です。
背景を説明しますと、中国は信用コストが極めて高い社会です。(日本は信用コストが極めて低い社会)
中国人が中国人を信用しない一面があり、人間不信が基本スタンスのため、皆が疑心暗鬼といえます。

話題が逸れましたが、一昔前の上海といえば、
「田子坊」「紅坊」「M50 」のような、ディベロッパーが運営する「老房子+アート」が人気でした。
ウチも07年初頭〜16年初頭まで、「紅坊」に上海オフィスを構えていました。
http://d.hatena.ne.jp/ShanghaiSpaceDesign/20140126
http://d.hatena.ne.jp/ShanghaiSpaceDesign/20120717

が、潮流は変わり、ディベロッパーが運営する「老房子+アート」は勢いを失っています。
最初の頃は、新進気鋭な会社が集まるのですが、そのエリアの知名度が上がりだすと、いわゆる普通の会社が集まります。
だんだん無個性なエリアになり、そういうのが好きではない人(会社)が去り、どこにでもありそうなフツウのエリアになる。
結果、ディベロッパーが運営する「老房子+アート」の人気は下火になり、自分たちで「老房子」を借りる人が増えたのです。

とはいえ、「老房子」は一般的な物件と比べると、どうしても内装費用が高くつきます。
先ほど述べたとおり、手入れが悪く、いろんな箇所が壊れやすいため、ナンダカンダ工事する範囲が広いのです。
これら諸々の問題を解決すりゃ、お洒落に見えて、そのうえ信頼感が段違い、というのが実体験。

老房子の性質はさておき、疑心暗鬼の中国市場で「安心」を旗印にビジネスがやれたら強い、というかラク
言うまでもなく、老房子にこだわる必要は一切なく、大事なのは、こだわりのオフィスです。

時間をかけて信頼関係を構築するのが定石といえますが、時間は有限ですから、なるべく最短経路を進みたいのが本音。
そこで効いてくるのが、上海オフィスの在り方、と言えるでしょう。
実際に実行したからこそわかったのですが、有無を言わせぬオフィスがあれば、中国人セレブも一先ず信用してくれます。
結局のところ、百聞は一見にしかず、です。
さほど労せずとも土俵にあがれる「仕組みづくり」の一つとして、上海ビジネスなら上海オフィスがキモです。

当たり前のコトを当たり前にやり続けた結果、上海で起業した個人事業主の11年目を迎えることができました。
なにも特別なコトなんてやっておらず、当たり前の徹底をしているだけです。

中国・上海ビジネスにはコレが絶対!という公式はありませんが、
日系企業が中国市場で生き残る道は、少ない労力で大きな結果を出すアイデアや工夫ではないでしょうか?
「中国市場での競争には生き残れない」という声が増えていますが、まだまだやれることがあるハズです。

年々、厳しさが増す「中国ビジネス」「上海ビジネス」ですが、共に頑張りましょう!
希望がなければ、何事も成就しませんから、きっと大丈夫ですよ、共に勝ちましょう!

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