百貨店はもうダメ？ - 中国ビジネスを愛する貴方におくる起業家のホンネ

「爆買い」に頼れず、国内消費も不調な百貨店..........。

とにかく、「百貨店でモノを買う理由」ついて、真剣に考えるべきですよね。
物理的な品揃えは勿論ですが、それ以上に「魅力的な商品」がないと、わざわざ百貨店に足を運ばない。
巷では、百貨店は「過去の遺物」と言われていますが、復調への道はある、と思うんですよね。

上海にある日系百貨店も苦戦中なのですが、当然といえば当然の結果です。
小売業ともいえず、賃貸業ともいえない、よく分からない業態ですからね。自業自得。

コチラも深刻なのですが、
日系百貨店に依存している日系アパレル企業は、日系百貨店の売上が低下し、経営全般を見直しています。
アパレル企業は店舗縮小、ブランドの整理を進めており、縮小均衡を求めるならば、
最終的にブランドの売却や合併等を検討する。
多くの日系アパレルが中国市場に進出したのですが、成果を上げることができず、中国ビジネスから撤退しています。

中国は広大ゆえ、中国ビジネスは語れませんが、上海ビジネスを見たかぎり、
中国人消費者の♡をつかむ企業努力をしていない、日系アパレル企業が沢山ありました。

中国から撤退する日系企業が相次いでいるのですが、ぶっちゃけ努力不足が原因（内部要因）の日本企業は少なくない。
中国ビジネスの成功に不可欠な、中国人消費者に「買いたくさせる」努力を怠ったら、そりゃ売れません。

私はインテリアデザイン会社とコンサル会社を経営しており、欧米系アパレルブランドのコンサルを長年やっています。
ビジネスが上手くいかない企業を分析すると、錐（きり）のように、ある一点に向かって動くパワーが弱い。
選択と集中ができておらず、何をやるにも中途半端だから、悲惨な結果になるのです。ビビって勝負しない。
同時に、スピード感覚がなく、中国ビジネスのスピードに取り残されている。
一概には言えないのですが、先手を取るから成功するモノもあります。後手後手じゃ、勝てません。
私なら、短期的な成果は求めず、一つのことに死ぬほど集中します。
上海で起業してから11年ものあいだ、変わらずコノやり方です。軸がブレたらダメなんすよ。

「売れない」「儲からない」理由は、「中国経済の変調により中国人消費者の購買意欲が落ちた」からではなく
商品自体に魅力がなく、中国人消費者からすれば「買う理由がない」、というのが現実だと思いますよ。
「LOUIS VUITTON」「HERMES」「GUCCI」などであれば、中国経済の変調による影響はあるのですが、
一般的な日系アパレル企業が儲からない理由は、これらのブランドが直面している問題とは、別次元の話です。

では、いったい、どうすればいいのか、と申しますと
売り上げが一時的に落ちるでしょうが、中国人トレンドセッターや中国人富裕層を満足させる事に集中すべき！
「目利き力」と「販売スタッフの付加価値力」があれば、消費の現場を刺激することができます。
成功の秘訣は他社の動向に気をとられないコト、かもしれませんよ。

日本のアパレルの歴史を紐解くと、「トレンドを作っているのは、一流百貨店の腕利きバイヤー」の時代もありました。
一流百貨店ならではの「コネクション」「関係性マーケティング」を活用したら、
中国・上海ファッション市場に新風を巻き起こせる、かもしれません。

少々お年を召したアパレルの人は、ナンダカンダ格が違うので、こういう人財を活用したらいい。
とはいえ、猛者が多いから、なかなか扱いにくいでしょうけど、破天荒くらいが丁度いい塩梅だと思いますよ。
本物を知っている人じゃないと、中国人トレンドセッターや中国人富裕層を満足させられないのは言わずもがなです。

百貨店には復調してもらいたいのですが、↓ではダメ。ゼッタイ。
百貨店なのに、安さだけを追求した語りドコロのない商品がズラリ.....。プライドを捨てた？
ショッピングモール化した百貨店.....。迷走路線、爆走中？

中国・上海ビジネスにはコレが絶対！という公式はありませんが、
中国企業では対応できない消費者ニーズを見つけ、それに対応すれば、きっと復調します。
百貨店なら、人の気に入るかどうかではなく、バイヤーのプライドで勝負してもらいたい。
本気でやりゃ、百貨店は復活できます。アパレル企業も同様です。

改めて言うまでもありませんが、中国は「しがみついてでも残るべき市場」です。